Emulation Stationを経由しないROMの実行

Retro Pieでは、ゲーム操作メニューとして「Emulation Station」が用いられています。
ゲームパッドのみで各種操作やゲーム選択、プレイを一貫して行える優秀なソフトです。
しかしながらミニチュアにラズパイを収容する都合上、メニュー内から選んで実行ではなく、電源ONから自動系にゲーム画面が立ち上がってくれた方がスムーズです。

本稿では、Retro Pieの設定を修正することで、より理想的なミニチュア用ラズパイ設定をご紹介します。

設定ファイル

Retro Pieがブートアップ時に参照するスクリプトは下記です。

/opt/retropie/configs/all/autostart.sh

デフォルトでは、下記の様な記述となっています。

emulationstation #auto


ROMファイルを指定して実行する方法

Retro PieのエミュレータをROMイメージファイルを指定して動作させる「runcommand.sh」というスクリプトが用意されています。

/opt/retropie/supplementary/runcommand/runcommand.sh 0 _SYS_ <プラットフォーム名> <ROMファイル名>

例えば、ファミコンROMを指定したい場合は

/opt/retropie/supplementary/runcommand/runcommand.sh 0 _SYS_ nes $HOME/RetroPie/roms/nes/HOGEHOGE.nes

などといった記述になります。

nanoによるスクリプトの修正

下記コマンドを実行します。

sudo nano /opt/retropie/configs/all/autostart.sh

動かしたいROMイメージの内容に応じて

スクリプトの内容を修正します。

/opt/retropie/supplementary/runcommand/runcommand.sh 0 _SYS_ <プラットフォーム名> <ROMファイル名>
#emulationstation #auto

Emulaton Station の記述は、行頭に#を追加してコメントアウトします。
これにより、ROM実行の終了時にコンソールに戻ることができます。

もし、Emulation Station文をコメントアウトしなかった場合は、ROMイメージ終了後にEmulation Stationが実行されます。
コントローラ接続環境では便利かもしれません。

Retro Pieセットアップによる設定

nanoでのスクリプト修正ではなく、以下の手順でも代替できます。

下記コマンドにてRetro Pie セットアップを実行します。

sudo ./RetroPie-Setup/retropie_setup.sh

メニューより
「C Configuration / tools」-> 「802 autostart」-> 「E Manually edit」
を選択します。
こちらでも自動実行の内容を修正できます。

作業が完了したら

sudo reboot

を実行し、再起動してください。
問題なければ、液晶上にデモROMが表示されていることと思います。

画面のアスペクト比調整手順に進んでください。

補足:自動ログインが解除された場合の復旧

Retro Pieは、Emulation Stationやautostart.sh の内容を実行するのがデフォルトの挙動ですが、システムのアップデートなどによって自動ログインが無効化されてしまい、起動直後 ログイン画面で止まってしまう場合もあります。

この場合、autostart.shの編集画面と同じメニュー内に、自動ログインの修正を行うことができます。 以下のメニューを実行することで、自動ログインにセットすることができます。

「C Configuration / tools」-> 「802 autostart」-> 「CA Boot to text console」